2026/08/20 10:14
ハーフエッチング面の品質が光を変える
ケミカルエッチングで加工したHikariSASを手に取ると、光の当たり方や見る角度によって表情が変わることがあります。
同じ金属なのに、ある角度では美しく輝き、別の角度では落ち着いた陰影を見せる。
この美しさは偶然ではありません。
その秘密は、「ハーフエッチング面の品質」にあります。
第1回でご紹介したように、HikariSASでは金属を貫通させるのではなく、表面を一定の深さまで加工する
ハーフエッチングを採用しています。
このハーフエッチングによって生まれる加工面が、光の反射や陰影を豊かに演出しているのです。
今回は、ケミカルエッチングが生み出す光の表情についてご紹介します。

光の美しさは、加工面で決まる
光は、金属に当たると反射します。
しかし、どのように反射するかは、金属表面の状態によって大きく変わります。
表面が均一で滑らかに仕上がっているほど、光は安定して反射し、美しい輝きを生み出します。
一方、加工面にムラや粗さがあると、光の反射は不規則になり、陰影や質感にもばらつきが生じます。
つまり、光の美しさは、加工面の品質によって左右されるのです。
ハーフエッチング底面の平滑性が重要な理由
HikariSASでは、ハーフエッチングによって金属表面を一定の深さまで加工しています。
このとき重要になるのが、ハーフエッチングによって形成された底面が、どれだけ均一で滑らかに仕上がっているかです。
これは、印刷版を製作している製版会社だからこそ、特にこだわっている品質の一つです。
底面の平滑性が高いと、光は加工面全体で安定して反射します。
その結果、ムラの少ない上質な質感と、美しい陰影が生まれます。
一見すると目立たない部分ですが、この底面の品質がHikariSAS全体の印象を大きく左右しているのです。

微細な凹凸が光に表情を与える
ハーフエッチング加工面を拡大すると、設計どおりに形成された微細な凹凸を見ることができます。
いわゆる網点と呼ばれるものです。
この凹凸は、単なる加工跡ではありません。
光をさまざまな方向へやさしく広げる役割を果たしています。
鏡のような表面では、光は一定方向へ反射します。
一方、ハーフエッチングされた部分では、微細な凹凸によって光がやわらかく拡散します。
この「反射」と「拡散」が組み合わさることで、見る角度や照明によって表情が変化する、奥行きのある美しい陰影が生まれるのです。
製版品質が光を左右する
では、この美しい加工面はどのように生まれるのでしょうか。
実は、その品質を決めるのは、エッチング工程だけではありません。
デザインを正確に再現する製版技術。
均一なレジスト形成。
適切に管理されたエッチング条件。
これらすべてが揃って初めて、均一で平滑なハーフエッチング面が形成されます。
私たちは製版会社として、この前工程を何よりも大切にしています。
美しい光は、偶然生まれるものではありません。
製版技術から積み重ねられた品質が、光の美しさを支えているのです。

HikariSASが目指した「光を楽しむ」という価値
私たちが開発したHikariSASは、このハーフエッチング技術を活かして生まれた製品です。
グラスを置いた瞬間。
照明の角度が変わった瞬間。
見る位置を少し変えた瞬間。
ハーフエッチング面が光を受け、繊細な陰影や輝きを生み出します。
これは単なる模様ではありません。
均一で平滑な加工面と、設計された微細な凹凸が織りなす「光の演出」です。
私たちがデザインしているのは、模様だけではありません。
光そのものをデザインすること。
それがHikariSASのものづくりに込めた想いです。
次回は「なぜHikariSASのエッチングは美しいのか?」をテーマに、フォトマスクや製版精度、レジスト、
露光・現像など、エッチング品質を支える製版技術についてご紹介します。
製版品質が、光の美しさをつくる。
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